釧路シンギング・リン音響セラピー風の木「響かせるということ」

「風の木」は北海道釧路市の住宅街にある音響セラピーサロンです

カラスの子育て

数年前からこの近辺を縄張りにしているハシボソガラスの夫婦がいる

お母さんガラスは「ワッ!ワッ!」と鳴くので、私は密かに「ワーさん」と呼んでいて、少し体の大きいお父さんを「クロさん」と呼んでいた

昨年、クロさんとワーさん夫婦は3羽の子ガラスを産みました


7月頃には子ガラスも巣立ち、時々5羽で我が家の庭にやってきては土を掘り起こして虫を食べたり、落ちたトマトを食べたりしていた


そして冬を前にカラスたちはいなくなった

何故かと言うと
カラスたちは冬を前に親ガラス、子ガラス、厳しい冬を生き抜くためにそれぞれのグループに合流して集団で生活するらしい

冬の間、遠くから「ワッ!」と時々聞こえてきて(笑

ワーさん、元気なんだなぁと思っているうちにまた今年も春がやってきて、4月頃にはワーさん夫婦もこの縄張りに戻ってきた

6月いっぱいくらいまでは夫婦で躍起になって餌を探し回りながら子育てをしていたようで、7月頃には昨年と同じく3羽の子ガラスたちを連れてきた

子ガラスたちは体こそ親並みに大きくなっていても朝から晩まで親にまとわりついて大きく口を開けてギャーギャー鳴きながら餌のおねだり

そして、その子ガラスの兄弟の中にはどうしても弱い個体がいるようで

体も兄弟たちと比べて一回り以上小さく、いつも他の兄弟に餌を横取りされ、ビクビクオドオドとしている小さな子ガラスが1羽

その小さな子ガラスは兄弟たちがすでに自立をしてほとんどは親から離れて活動しているにもかかわらず、いまだ親にまとわりついて餌のおねだり

カラスはとても愛情深く、夫婦愛・親子愛が強い鳥です

先日庭で草むしりをしていたときに

ここのテリトリーにハシブトガラスの集団が乱入してきて子ガラスに襲いかかりました

ハシブトはハシボソよりも口ばしも体も大きく気性も荒い



ましてや集団となればハシボソなんて敵ではないはず

ところが、ハシボソ夫婦は怯むことなく果敢に挑み、空中戦を制して子ガラスを命がけで守りハシブトを追い払った

それからわずか1週間ほどが過ぎた今日

何気に庭を見ていたら、母ガラスに「そのトマト少しちょうだい」とおねだりする小さな子ガラス

※遠近法と角度で子ガラスの方が大きく見える

母ガラスは無視

それでもすり寄って口を開けていたら「うるさいっ!💢」(と言ったかどうかわかりませんが)すごい剣幕で激しく威嚇

驚いて我が家の物干し竿に一時避難する子ガラス

気を取り直して今度は父ガラスに近づくけれどやっぱりまた突かれて追い払われます

そして子ガラスを置いて飛んで行ってしまうお父さんとお母さん

ついこの間まで優しく餌を口に運んでくれた親ガラス、命がけで守ってくれた親ガラス

子ガラスはどうしてなのか全く意味がわからず呆然として親ガラスが飛んで行った先を見つめます

今年も子離れの時期が近づいてきたようです

それでも離れた電柱から見守る親ガラス

もう少しすると完全にこの縄張りからは追い出されるのだけれど、このシーン、去年も見たよな~と思いながらちょっと切ない気分で

この子ガラスたちが上手く若い集団に溶け込んでこの冬を乗り切ってくれることを願いながら自然の営みの厳しさを実感