今朝の道新に詩人の谷川俊太郎さんが亡くなられたことが大きく掲載されていました
御年92歳「ジャンルを超えた異端児」という見出しでした
戦後日本で最も親しまれた詩人という書き出しになっていて、詩人・絵本作家・翻訳家・エッセイスト・作詞家(歌)と様々な顔を持つ谷川俊太郎さん

『※この画像はKOKOCARAサイトよりお借りしました』
私が谷川さんを知ったのは何度かブログにも書いたことがある「みみをすます」という絵本を手に取ってからです
30歳になった頃くらいかなぁ…
仕事も忙しくなってきて、とにかくせわしない日常に「あれをしなきゃ、これも済ませとかないと」なんて常に頭の中はいっぱい、いっぱいで
ある朝、駐車場に車を停めて会社に急ぐ道すがら、何気に見上げた空が真っ青で、その真っ青な空にナナカマドの真っ赤な実がきれいに映えて

もう秋になっていたんだなぁ、最近はこんなふうに自然に目を向けることも忘れていたなぁ、とつくづく感じたことがあり、そんな頃に出会った絵本でした
それからはいつも私の傍らにある絵本でもあります
「みみをすます」という言葉から始まる詩
みみをすます
きのうのあまだれに
みみをすます
みみをすます
いつからつづいてきたともしれぬ
ひとびとのあしおとに
みみをすます
めをつむり
みみをすます
ハイヒールのこつこつ
ながぐつのどたどた
ぽっくりのぽくぽく…

こんな感じで続いてゆくのですが、私は特に「みみをすます きのうのあまだれに みみをすます」という出だしが大好きで
毎年秋頃に行う「みみをすます瞑想」にも使わせていただいています
そして今でも、自分の日常に忙殺されそうなとき
「みみをすます きのうのあまだれに みみをすます」のフレーズを口にすると
ふっと気持ちが緩んで
季節の移り変わりやその色を感じること、心を落ち着けて耳をすませてみることの大切さを思い出します
谷川さんが亡くなられたことには
北海道はもちろん、全国から死を悼む声が届けられているようですが
谷川俊太郎さんはとてつもない天才であり、自由人と思うので、きっと死などは恐れず、さらに解放されて今頃飛び回って楽しんでいるのではと感じます
素晴らしい作品をたくさん残していただいたことに深く感謝します