釧路シンギング・リン音響セラピー風の木「響かせるということ」

「風の木」は北海道釧路市の住宅街にある音響セラピーサロンです

佐藤愛子さんの「私の遺言状」

今日、白老町アイヌ文化の復興と伝承活動の拠点となる施設「ウポポイ」が開業となりました

ウポポイ(民族共生象徴空間)
NATIONAL AINU MUSEUM and PARK – アイヌ文化を白老から世界へ


今は日本人とかアイヌ民族とかを気にする人はほぼいないと思いますが、歴史的に視るとアイヌ民族は長い間、差別や偏見の中で生きてきた過去があります

もう2度ほど読んでいる佐藤愛子さんの「私の遺言状」

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冒頭で佐藤愛子さんは「遺言状というものは身内、子孫に残すべき言葉であるが、私は残したい、公表せずにはいられない」と述べています

この著書の内容は

まったく心霊的なものを信じていなかった佐藤愛子さんが昭和50年、51歳のときに北海道浦河の山の中腹に山荘を建てた直後から始まった執拗で壮絶な30年間にも及ぶ霊現象との戦いを綴った物語です

その戦いの過程で知らされてゆく佐藤家先祖とアイヌとの因縁

霊現象の原因は、佐藤さんの先祖(武士)が過去にアイヌ民族を虐殺し、殺されたアイヌ民族も、殺した佐藤家一族も共に苦しみ続けていたからで、それらの浄化の役目を子孫である愛子先生に担ってほしいからでした

その執拗な霊現象に初めは「見えない敵との戦い」として挑んでいた愛子先生はいつしか「自分が生まれ、生きてゆくための大いなる使命なのだ」ということを知ります

そして、このような様々な現象を引き起こす要因となり得る日本を取り巻く不安や不満のエネルギーの増幅に、これからの日本人としての生き方の示唆になってくれることを願い「遺言状」として書き残しました

著書の中で登場する、若かりし頃の美輪明宏氏や江原啓之

そして、鶴田医師、大西弘泰氏、相曽誠治氏、中川昌像氏など大勢の方がこの霊現象を鎮めるべく共に戦い、30年目にして相曽誠治氏により霊障を鎮めることに成功します

「与えられた苦しみ、やって来た困苦を不条理だと反発してもしょうがない。どんな不条理でも受け入れるしかない。それを受け容れて苦しむことが必要なのだ。それがこの世を生きる意味であるらしい」と愛子先生はおしゃっています

初めは全く霊的なものを信じてはいなかった愛子先生が30年間の壮絶な霊現象に真摯に向き合い、最後には昇華に導いてゆく勇気とバイタリティーには感服であり、様々な苦しみの想念が生み出してゆく負のエネルギーの怖さに気付かされます

死後の世界があるとしたなら、どう生きるべきか、教えられる一冊です